「私たちにできるリハビリって何ですか?」と聞かれたときに思う理学療法士の本音 l 看護学生に知ってもらいたい本当の役割

看護実習中に理学療法士から話を聞く看護学生のイメージ。 リハビリは訓練だけでなく、日常の看護ケアが「動きが出る環境」をつくっていることを表しています。 看護学生がリハビリ見学の意味を理解するきっかけとなる場面です。

今日の記事はこんな方にオススメです!

☑「リハビリ見学で、正直どこを見ればいいのかわからない…」

☑「リハビリと看護の役割の違いを、きちんと理解したい」

☑「看護師としての“リハビリ視点”を身につけたい」

看護学生さんから、こんな質問をよく受けます。

「私たちにできるリハビリって何ですか?」

「関節を動かしたり、筋トレをした方がいいですか?」

患者さんのことを思っての質問だと、よくわかります。
だからこそ、理学療法士としては少しだけ胸がざわつくこともあります。

それは、「もっと良くしてあげたい」という気持ちの裏で、役割があいまいになってしまう瞬間を、何度も見てきたからです。

理学療法士の本音①|正直、リハビリは“しなくていい”んです

いきなりですが、本音を言います。
👉 看護師さん・看護学生さんは、リハビリを“代わりに”しなくて大丈夫です。

可動域訓練を計画する、筋力訓練を指示する、機能回復を狙って動かす。
これは、僕たちリハビリ職の仕事です。

善意でやってくれていることほど、
患者さんの不安や恐怖を強めてしまうこともあります。

だから「何かしなきゃ」よりも、「やらない判断ができること」を大事にしてほしいんです。

理学療法士の本音②|一番助かるのは「ROM」じゃない

正直に言うと、僕たちが一番助かるのは、
ROM訓練を代わりにしてくれることでも、筋トレを増やしてくれることでもありません。

👉 「できるADL」と「実際にしているADL」の差を埋めてくれること
これが何よりありがたい支援です。

リハビリ室では立てる・歩ける。

でも病棟では「危ないから」と全部やってもらっていて、患者さんが「できない人」になっていく。
これは能力の問題ではなく、環境・声かけ・安心感の問題です。

理学療法士の本音③|“生活”に落ちる瞬間は、看護の場面で起きます

リハビリをしていると、心の中でこう思う場面があります。
「この人、実はもっと動けるんだけどな…」

だから病棟で、

  • 少し待ってもらえる
  • 声かけを工夫してもらえる
  • できる部分は本人に任せてもらえる

それだけで、リハビリで積み上げたものが “生活”になります。

⭕ 理学療法士として本当に助かること

― 可動域訓練を「しない」看護ケアの価値

一方で、看護の立場だからこそできて、
理学療法士として本当にありがたい関わりがあります。

それは、
👉 可動域訓練を“しなくても”、日常の看護ケアの中で可動域を保ってくれることです。

たとえば、

  • 更衣のときに、自然な流れで一度関節を曲げる
  • リハビリ担当者から
    「この人は、だいたいここまで動かして大丈夫」という
    “目安の範囲”を聞いておく
  • その範囲内でできた動きを、
    「今日はこのくらい動かせていました」と情報共有する

これらは、ROM訓練ではありません。
でも結果として、関節が固まるのを防ぎ、可動域を維持する力があります。


可動域は「訓練しないと保てない」わけではありません

可動域は、
必ずしも可動域訓練を行わなければ保てないものではありません。

  • 起き上がり
  • 更衣
  • トイレ動作
  • ベッド上での体位変換

こうした日常の看護ケアそのものが、
可動域を使い、保つ時間になっています。

そして、その動きが
「どこまでなら安全か」
「どの動きは避けたほうがいいか」を
リハビリと共有できると、
看護の関わり方の選択肢は一気に広がります。


情報共有があると、看護の“幅”が広がる

  • 「更衣のとき、ここまでは無理なく動かせていました」
  • 「この動きだと、表情が穏やかでした」
  • 「この角度を超えると、怖がる様子がありました」

こうした情報は、
理学療法士にとっては次の評価と訓練を組み立てるヒントになり、
看護師にとっては、
「安心して関われる範囲」が明確になる材料になります。

👉 ROM訓練をするかどうかではなく、
👉 可動域が“使われ続ける環境”をつくれているか。

ここに、看護ならではの専門性があります。


まとめ|可動域を守る看護は、立派なリハビリ連携

可動域訓練を代わりに行うことが、
看護の役割ではありません。

  • 日常の看護ケアの中で
  • 無理のない範囲で関節を使い
  • その様子をリハビリと共有する

これだけで、
可動域は保たれ、回復は止まりにくくなります。

看護師として、
「訓練をしなくても、可動域を守れている」
その実感を持てるようになると、
看護の引き出しは、確実に増えていきます。

🔸 今日の一言
更衣や日常動作が、可動域を守る大切な時間になります。

📌 関連キーワード
看護学生|看護実習|リハビリ見学|理学療法|関節可動域|ROM訓練|関節可動域訓練|看護師の役割|多職種連携|ADL|病棟看護|可動域維持|情報共有

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です